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人間の生死がかかった極限状況、人命を救うための戦いには常にドラマがある。そのため古くは『サンダーバード』のころから“人命を救う戦い”が物語として描かれ、多数の名作を生み出してきた。
やがてそこから、“実在する、人を助ける仕事をリアルに描く”という作品の分野ができてゆく。消防士をリアルに描いた映画『バックドラフト』や、病院で奮闘する医師を題材とした連続TVドラマ『ER〜緊急救命室〜』は大人気となった。これらの作品では、人命のかかったドラマと同時に、一般の人々には知られざるプロフェッショナルの世界をかいま見ることができるからだ。
そして日本でも『め組の大吾』『海猿』といった、消防官、海上保安官を描いたコミック作品がドラマ化、映画化されるなど、これが人気の高い分野であることを証明している。
そこに連なるべき作品が、この『よみがえる空 RESCUE WINGS』である。
この作品では、航空自衛隊の航空救難団を描いている。ヘリコプターで、山岳遭難者や難破船の漂流者などを救出する任務を請け負う彼らだが、その実態はあまりに知られていない。そこでこの作品では、ヘリパイロットや救難員をリアルに描いてその実情を紹介しつつ、彼らの生死を賭けた戦いを描いてゆく。
アニメーションという技法が発明されたあと、ウォルト・ディズニーによって「アニメーションに物語を盛り込む」ことが始められ、数多くの物語がアニメという表現手段によって語られた。
だが近年の日本アニメは、ロボットや萌えキャラなど、キャラクターの魅力が作品の中心に置かれることが多くなっている。
そんな中、この『よみがえる空』は真っ正面から“物語を語るアニメ”になっている。アニメが本来もっている、物語を語る力。それをこの『よみがえる空』は再び証明してくれるだろう |
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